2008年愁介誕生日企画・独占インタビュー ...2

────では、身長と体重、それに血液型をお願いします。
「身長 182センチ、体重は71キロだ。血液型はAB」

 
────AB型ですか? 意外ですね。
「そうか? たった4つの型に人間の性格を当てはめる方が、よっぽど変だと思うがな。外見に結びつくことならともかく、血液型なんか訊いたって何にもならねぇだろ」

 
────そうは言っても、やはり女性としては気になるんですよ
「そういうもんかね」

 
────えーと、では、髪と瞳の色、それに肌の色は?
「……俺を目の前で見てんのに、そんなことも分からねぇのか?」

 
────いえ、そういう質問がありましたので、是非ご本人におっしゃって頂きたいと思いまして。ニコッ
「(やや呆れつつも)髪も瞳も黒だ。肌は典型的な東洋人のものだと、ヨーロッパで言われた」

 
────はぁ、なるほど。まぁあまり陽に焼けていらっしゃらないですよね
「そういう暇は俺にはねぇ!」

 
────ごもっともです。次の質問です。体は鍛えていますか?
「(もう諦めたらしい)ああ。精神力も必要だが、体力勝負なところもある仕事だからな。普段は朝と晩にそれぞれ1時間、暇な時は2時間くらいは、ワークルームにあるジムでトレーニングしてる」

 
────執務室にジムも完備とは、さすがですね! もしかして、ストレス発散も目的に入ってます?
「そうだな。精神的にきつい時も、ハードメニューをこなすとスッキリするしな」

 
────なるほど(自分の体を苛めることで、フラストレーションを解消してるのか…。怖いから口に出しては言えないけど)。その時はどんな服でやってるんですか?
「別に。ジャージ着てやることもあれば、裸でやることもある」

 
────はだ!? えっと、上半身ですよね?
「当たり前だろうが」

 
────(はぁービックリした。でも見てみたい!)コホンッ。えっと、それでは次の質問に……
「(ジロリとインタビュアーを見て)今なに考えやがった?」

 
────な、なにも!!(冷や汗ダラダラ)
「ふん」

 
────(ひぇ〜心臓に悪いですよ)き、今日は素敵なお召し物ですね。御用達のブランドとかあるんですか?
「(苦笑して)よく訊かれる。オーダーメイドだから、特にどこのってのはねぇな」

 
────え? でも、オーダーするブランドはありますよね?
「ああ、そのことか。俺はブランドに拘らないんで、今まではヒューズが勝手に注文してたらしい。気が付くと三つ揃えのスーツ一式が、クロゼットの中に入ってたりしたからな。最近じゃ、マギーやレオンがやってるらしいが」

 
────クリスさんは専属執事ですよね。そういうのは、彼の仕事のように思いますが……
「あいつのセンスは最悪らしい。特に服飾に関してはな。俺は別に気にしないんだが、そのことに限っては、マギーもレオンもクリスに関わらせないようにしている」

 
────はぁ、そうなんですか。でもそれはビジネスシーンで、ですよね? プライベートではどんな感じなんですか?
「ユニクロがいい」

 
────は!? ユニクロって、あのユニクロ!?
「他にどんなユニクロがあるんだよ。基本的に着れりゃ何でもいいからな」

 
────え……あの、じゃあAct.1で着ていた白いスーツは!?
「あの後、篠宮の方の仕事があったからな」

 
────てっきりプライベートの服かと思いましたよ。開襟でしたし、ネクタイもしてませんでしたから
「いつもタイなんかしてたら、苦しいだろ」

 
────はぁ、なるほど。
「Paul Stuart(ポール・スチュアート)やAquascutum(アクスキュータム)なんかも着るけどな」

 
────ブランドには拘らないと、さっきおっしゃいましたけど?
「拘らないぜ。この二つは、マギーに勧められたんだ。何でも母国のブランドで、マギーのお気に入りらしい。いい男にはこのブランドが似合うって、息巻いてたぜ」

 
────なるほど、そういうことでしたか(おちょくられてると思っちゃった)。では、香水とかはいかがです?
「ブルガリのプールオム・ソアールを使ってる」

 
──── お気に入りで?
「(やや渋い顔をして)いや……元々香水は苦手だった。たまにいるだろ、プンプン匂わせてる奴が。ああいうのが嫌いなんだ。だが、総帥として人と会うのに何も付けてないと愚弄されて、エインズワースの沽券に関わるから何か付けろとヒューズに言われた。で、バカバカしくなるくらい山と提示されたオードトワレの中から、これを選んだ。今では気に入ってる」

 
────嗅いでみてもいいですか?
「別に構わねぇが」

 
────失礼します。(立ち上がって愁介氏の傍に行き、ペコッとお辞儀して至近距離でクンクン嗅いだ。アップでもいい男だ! 何かされるかと思ったけど、何もなかった。ちょっと残念に思いながら席に戻る)仄かに甘いですけど(ムスクかな?)あっさりしていて、でも存在感がある香りですね
「だから俺も気に入ってる」

 
────私も。初めて嗅ぎましたけど、この香り好きになりました。では次ですが、好きな食べ物ってなんですか?
「(ちょっと驚いたように瞠目して)また随分俗っぽい質問だな」

 
────やはり、読者としては気になるようですよ?
「ふん、別に好き嫌いはないぜ。何でも食べるし、アレルギーもない」

 
────では、お酒では、何が好きですか?
「よく飲むのはバーボンウイスキーだな。たまにテキーラを生で飲むこともある」

 
──── お強いんですね
「バーテンになろうとしたくらいだからな」

 
──── そのバーテンダーのお話を伺いたいですね。そもそも、どうしてバーテンになろうと思ったのですか?
「ホテルを作ったのがきっかけだ。オーナーが自分とこのホテルのバーでバーテンしてるって、なかなかないだろ。道楽ならともかく」

 
────あ、ではちゃんと仕事としてやるつもりだったのですか?
「そりゃな。やるからには徹底しねぇと。だから師匠のところに修行しに行ったんだ。ホテルを開業する前に2年間」

 
────はあ〜! お忙しかったでしょうに
「別に。後は施工するだけだったからな。俺がいなくても、建物は立つ」

 
────え!? では、あのホテルは一から作ったのですか!? 既存のものを買い取ったりしたのではなく!?
「でないと、作った意味がねぇからな」

 
────あの! 差し支えなければ、その辺の事情もご説明して頂けますか!?
「いいぜ。篠宮の家を出たかった。それだけだからな」

 
────……その気持ちだけで、普通そこまでしないと思いますが?
「家を継ぐのが嫌だって言っただけで、受け入れられる訳ねぇだろ。だから、俺に篠宮の力は必要ねぇって、親父に分からせてやりたかったんだ。高校ん時から計画立てて、出資も募った。結局、すぐには金は集まらなかったんで、施工までこぎつけるのに6年も掛かっちまったけどな」

 
────……どういう高校生だったんですか?
「普通だと思うが?」

 
────……(この人の『普通』ってどういう基準なんだろ?)でも、今は篠宮家の当主をされていますよね?
「(溜め息をついて、両手を天に向け)ま、墓穴を掘ったってことだな」

 
────?? あの、どういうことでしょう?
「一人でも人生やってけるって見せ付けるためだったんだがな……はぁー(深〜い溜め息)、洸史が言うには、『そんな力を見せ付ければ、逆に後継者として欲しくなるに決まっているでしょう』だとさ。お陰でセシルにも目を付けられて、エインズワースの総帥にされちまうし。俺の人生設計はメチャクチャだ。前に洸史にそう八つ当たりしたら、『それに気付かなかったのは、あなたが未熟者なんです』と言われた。ムカつく話だが、正論だよな。あいつはいつも正論しか言わねぇ。ほんっと、ムカつく野郎だ!」

 
────(ど、どうしよう!? せっかくだから深いところまで訊いちゃおうと思ったけど、本当に深くて重い話だった!)え、えと……その、す、すみません!
「あ? なんでお前が謝るんだ?」

 
──── だ、だって。まさかこんなに重い話になるとは、思っていなかったので……
「俺が勝手に話して、勝手にムカついてるだけだ。悪かったな、お前のせいじゃねぇよ」
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